フランス近代音楽の華ラヴェルの名曲集。最初の「マ・メール・ロワ」は元々ピアノ連弾曲、次の「クープランの墓」はピアノ独奏曲で、共に“管弦楽の魔術師”ラヴェル自身が編曲した精緻極まりないオーケストレーションが聴きものとなる。最後の「ダフニスとクロエ」第2組曲は、長いバレエの美味しい部分を抜粋した艶美で色彩的な音楽。吹奏楽で人気の高い作品だけに、そちらの愛好家も必聴だ。指揮は沼尻竜典。作曲家でもある彼の鋭い分析力とパッションを併せ持ったアプローチや、充実顕著な新日本フィルの機能美に期待がかかる。

 間に置かれた「左手のためのピアノ協奏曲」は、左手だけで弾いているとはとても思えない重層的な独奏と、協奏曲では異例なほど華麗な管弦楽に驚かされること必至。そしてもちろん、エリザベート国際コンクールの第2位受賞で話題を呼んだピアニスト・久末航が、左手だけでいかなるソロを繰り広げるのか?に大きな注目が集まる。