4年目を迎えた音楽監督・佐渡裕の今季初登場公演。「ドイツ」をテーマに、ロマン派の大家ブラームスの代表作が披露される。
とはいえブラームスは壮年期以降ウィーンで活躍しただけに、佐渡が掲げる「ウィーン・ライン」の一環でもある。しかもウィーンは、佐渡とヴァイオリンの三浦文彰が共に欧州の拠点とする町。その空気を肌で感じてきた二人の実質的な初共演にまずは注目が集まる。
前半のヴァイオリン協奏曲は、重層感や幸福感と独奏の高度な技巧や管弦楽の交響的なサウンドが融合した名曲。人気奏者・三浦の豊潤な音色が生きる作品であり、事実彼は昨年5月の宮崎国際音楽祭等で艶やかかつ力強いソロを聴かせている。従って、佐渡の雄大な指揮のもとで展開される演奏が実に興味深い。後半は交響曲第1番。重厚・壮大なこの名曲では、佐渡ならではの大スケールで雄弁な音楽作りが期待されると同時に、新日本フィルの現在の技量やコンビの絆が明確に示される。
©Takashi Iijima