邦人作品に力を注ぐ指揮者・藤岡幸夫による「日本」をテーマにした公演。まず注目は芥川也寸志の「交響管絃楽のための前奏曲」だ。音楽学校の卒業作品であるこの“幻の処女作”の初演以来の復活演奏を成し遂げたのが他ならぬ藤岡。今回は常設著名楽団の演奏で耳にする貴重な機会となる。次の伊福部昭作品は、ヴァイオリンの妙技と伊福部一流の土俗的テイストが融合した快作で、「ゴジラ」のテーマも登場する。若き日から活躍顕著なヴァイオリニスト・木嶋真優がいかに聴かせるか? 乞うご期待。

 後半の吉松隆の交響曲第3番は、藤岡が「黒沢明と大河ドラマとシベリウスとチャイコフスキーがごっちゃになった作品」と語るメロディアスで情熱的な大曲。録音&公開初演を行い、献呈も受けた同曲は、吉松の伝道師たる彼の中でも真打ち的な存在だ。どれもいわゆる“現代音楽”とは異なる明快な曲ばかり。ここは藤岡の熱いタクトで日本の管弦楽作品の魅力を再認識したい。