オーケストラの首席奏者になることが中学生の時からの夢でした。

 オーケストラで初めて吹いたのは、小学校5年で参加した都響ジョイントコンサートです。小6でジュニアオケ(TJOS)に入り、どんどんのめり込んでいきました。一度興味をもつと、とことん突き詰める性格で、中高時代はオケ一色。オーケストラの音楽が、聴くのも吹くのも大好きで、オケhで弾く曲が決まると、その曲のCDを20種類くらい聴いたり、国内外のオケの演奏会に通ったりしていました。音楽高校に進学後は、授業以外にもオーケストラに没頭するために仲間とユースオーケストラを結成。チャイコフスキーのピアノコンチェルト1,2番、シンフォニー5,6番を1日でやるという無謀なプログラムで、杉並公会堂を満席にしたこともあります。この時に企画・運営など裏方さんの仕事も経験できたことが、今に繋がっているなと感じます。

 初めてプロオケにエキストラで乗ったのは高校3 年の時です。ソリストで呼んでいただいたオーケストラの方に、そんなにオケが好きなら中で吹いてみる? とお仕事をいただきました。留学する20歳までたっぷりとプロの現場で経験できたことは、いまも財産になっています。

 転機は大学生の時に小澤征爾音楽塾でジャック・ズーンのレッスンを受けたこと。わりと器用で、なんでもこなせてきたなかで、初めて「言われたことができなかった」のが彼のレッスンでした。自分にない引き出しがこんなにあるのか! この人のもとで勉強したい! と願ってジュネーヴで学びました。ズーン先生に憧れるところは、なんといっても、楽器ではなくその人自身の身体中から音楽が溢れ出ていること。サイトウ・キネン・オケで恩師の隣でマーラー9番や「ダフニスとクロエ」を演奏できたのは、夢のような経験でした。

 オーケストラに入団した今、今後は活動をオーケストラに絞らず、「オケ・ソロ・室内楽」を三本柱にしていきたいと思っています。今年から始めた自分のリサイタルシリーズもそのひとつで、ソロや室内楽でまた違った角度から音楽に触れることが、オケでの演奏により深みをもたせてくれるはずだと信じています。もちろん主軸は大好きなオーケストラで、NJPの素晴らしい環境で演奏できるのは本当に幸せです。

 27歳の今、やれることは無理をしてでも詰め込んで挑戦しようと考えています。あの人からは音楽が身体中から溢れ出ている。もっとあの人の音楽に触れていたい ─ そう思ってもらえるような音楽家になれれば嬉しいです。

(2026年6・7月定期演奏会プログラム掲載)

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