子どもの頃から乗り物好きで、電車の車掌さんになるのが夢でした。電車から飛行機に興味が移り、旅行好きに。国内外一人であちこち出かけてきましたが、特に印象に残っているのは五島列島の福江島です。山道をずっと歩いて、いきなり目の前に開けた灯台と海の景色に感動しました。スイスの山の美しさも忘れられません。やはりこれまで見たことのないような自然の驚異に惹かれます。

 チェロは4歳で始めました。ピアニストの母の友人の紹介で、宮田豊先生(宮田大さんのお父さん)に習っていました。小さい時から人前で弾くのが好きで、お客さんがたくさんいるほうがワクワクするタイプでしたが、練習嫌いで、毎日母と喧嘩です。小学校3年の時、喧嘩したはずみにチェロを投げて、ネックを折って壊してしまったこともありました。

 音楽家への意識が生まれたのは、中学生になって、桐朋の音楽高校に進むことを決めた頃からでしょうか。桐朋学園の夏期・冬期講習に行くことになり、宇都宮から電車で通うのが楽しみでした。桐朋の高校にも、新幹線で宇都宮から始発に乗って片道2時間半、3年間毎日休まず通いましたが、これも、電車に乗る楽しみがあったことが大きいかなと思います。

 大学生の時、祖父の一眼レフを持って空港に行き、飛行機を撮る楽しさに目覚めました。あれほど巨大な機体が空を飛んでいくカッコよさ。工場見学に行って、一機を飛ばすにも何百人もの人が力を合わせている、そのチームワークを見て、心惹かれました。いま考えると、オーケストラで弾く醍醐味に共通するものを感じていたのかもしれません。

 オーケストラには学生時代からエキストラで弾いていましたが、ビバホールチェロコンクールで1位をいただいた後、色々なオケからゲスト首席で呼ばれるようになりました。チェロ首席には、低音からオケを引っ張っていく力が求められると思います。チェロ・セクションだけでなく、管楽器、打楽器、コントラバスの人たちが自分の背中を見ていて、自分がテンポ感を前に進めようとするとオケ全体が動くのを感じた時、とても楽しくなりました。

 NJPは自由な雰囲気で、みなが一人一人やりたいことをリハーサルでぶつけ合って、より良い方向に行くための努力を惜しまない、いいチームワークが作れるオーケストラだと思います。その一員として、もっと成長していきたいです。

(2026年2・3月定期演奏会プログラム掲載)

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