作曲家としても著名なスイスの名匠ミシェル・タバシュニクが、テイストの異なる3作品を指揮する興味深い公演。彼は、かのカラヤンに招かれて定期的にベルリン・フィルを指揮し、巨匠マルケヴィチやブーレーズのアシスタントも務めている。こうした歴史的な経歴と作曲家としての清新な視点を併せ持つ名匠が、いかなる音楽を聴かせてくれるか? 大いに注目される。ラヴェルの「ラ・ヴァルス」は、フランス語圏のジュネーヴに生まれ、複数のフランス楽団の音楽監督を務めたタバシュニクの適性が生きる作品。ブラームスの名作・交響曲第2番は、前記の作曲家の視点による新鮮な表現への期待値が極めて高い。

 またショスタコーヴィチのチェロ協奏曲第1番は、アンドレイ・イオニーツァのソロが大注目。2015年チャイコフスキー・コンクールで優勝した彼は、高度な技巧としなやかな表現力の持ち主だけに、コンクールゆかりのロシアを代表する協奏曲の演奏が実に楽しみだ。