昨年8月まで1年間、文化庁の派遣でドイツのリューベック音楽大学に留学しました。
日本に帰る1か月ほど前、現地で知り合った友人たちが思い出づくりをしようと企画してくれて、マッターホルンの ふもとにペンションを借りて何週間か一緒にすごすことになりました。
ある日、山道の途中にある山小 屋まで行ってみようと男4人で出かけたとき、そのなかの一人が山小屋の近くに見える万年雪を取って こようと言い出し、無謀にも行ってはいけないとされている山小屋の先まで、みんなで岩につかまりな がら横歩きで歩いていったのですが、途中でどうにもこうにも動けなくなってしまったんです。
「遭難」 の2文字が頭を掠めました。そのときどうしても万年雪がほしいその友人が、つかまっていた岩をよじ 登ってその反対側に降り、なんとか万年雪をとることに成功したんです。
その後、みんなで来た道を這うように戻り、なんとかぶじに生還しました。
その後、日本に帰る前日、彼らがリューベックで盛大なお別れパーティを開いてくれたのですが、その時その友人が「実はあのとき、万年雪の下に埋まっていた石を、自分の分と晃さんの分の2つとって きたんだ」と言って、プレゼントしてくれたのがこれです。ドイツでは幸運を呼ぶ生き物とされている ブタもつけてくれて…。もう大感激で号泣しました。
彼らはリューベックの音楽大学に学ぶ日本人留学生で、僕より10歳ほど若いのですが、本当に仲良くなり、濃い付き合いをしました。一緒に行っていた妻の料理目当てもあって、僕のところがみんなのたまり場になったのです。毎日学校の後、誰かしらうちにきて、一緒に食ベ、飲み、遊んで帰るという、 学生時代に戻ったような生活でした。
リューベックに留学したのは、じっくり勉強する時間がほしかったこと、またリード、奏法について フォルカーテスマン先生のレッスンを受けたかったことからで、本当にいい勉強ができたと思います。 以前は自分のことだけで精一杯だったのが、まわりのことがみえるようになって、より音楽に集中でき るようになり、演奏するのがもっと楽しくなりました。 そしてかけがえのない一生の友を得たこと。この石は、留学生活がくれた一番の宝物を思い出させてく れるのです。
その後、日本に帰る前日、彼らがリューベックで盛大なお別れパーティを開いてくれたのですが、その時その友人が「実はあのとき、万年雪の下に埋まっていた石を、自分の分と晃さんの分の2つとって きたんだ」と言って、プレゼントしてくれたのがこれです。ドイツでは幸運を呼ぶ生き物とされている ブタもつけてくれて…。もう大感激で号泣しました。
彼らはリューベックの音楽大学に学ぶ日本人留学生で、僕より10歳ほど若いのですが、本当に仲良くなり、濃い付き合いをしました。一緒に行っていた妻の料理目当てもあって、僕のところがみんなのたまり場になったのです。毎日学校の後、誰かしらうちにきて、一緒に食ベ、飲み、遊んで帰るという、 学生時代に戻ったような生活でした。
リューベックに留学したのは、じっくり勉強する時間がほしかったこと、またリード、奏法について フォルカーテスマン先生のレッスンを受けたかったことからで、本当にいい勉強ができたと思います。 以前は自分のことだけで精一杯だったのが、まわりのことがみえるようになって、より音楽に集中でき るようになり、演奏するのがもっと楽しくなりました。 そしてかけがえのない一生の友を得たこと。この石は、留学生活がくれた一番の宝物を思い出させてく れるのです。