「日々楽しく音楽を、遊び心を大切に」
昨年7月より所属させていただくことになりました。コンサートマスターとしても、音色、ニュアンス、推進力、響きの立体感を最も大事に考えています。凄い演奏が生まれる時の「楽しい!」という瞬間のために、これからも遊び心を忘れずに弾いていきます。
最近までは、ソロや室内楽の公演も含めて年間100回以上の本番を意欲的に取り組んでいたつもりでしたが、音楽に対する喜びが薄れるのを感じる時が度々ありました。父が急に他界したこともあり、今後は本当にやりたいことだけをやろうと、公演数など自身のキャパシティを超えるような仕事を辞め、後悔のない第二の人生作りを目指していました。
NJPに入るきっかけは、ソロ・コンサートマスターの崔さんとの出会いです。コンサートマスターが集まるオーケストラでたまたま隣で演奏させていただける機会があり、海外で弾いているような興奮と素敵な感覚に包まれました。その後、NJPの定期公演に乗せていただいた際にコンマスのお話をいただき、崔さんと弾かせていただけるならと、直感で判断をすることができました。
NJPは、私が10代の頃によくエキストラで弾かせてもらい、育てていただいたオーケストラで、ずっと親しみを感じていたオーケストラの新時代に、こうして参加できることがとても嬉しいです。センスある奏者が揃っていますし、音楽的に信頼できるメンバーと、様々な相談をしたり、音で会話できるのが楽しいですね。まだ一年経ったばかりですが、入団を決めたのは最善の判断だったと確信しています。
休日の楽しみは何より1歳半の息子と遊ぶ時間です。また、長年飼っているデグーは、アンデスの歌うねずみと言われているのですが、産まれるまでお腹に半年もいるとのことで知能が高く、会話もほぼ伝わります。もし飼っているという方がいらっしゃいましたらぜひお声を掛けてください。バイオリン教室も楽しみとしてやっていますし、あとはカフェでのんびりとしながら昔の巨匠達の演奏をひたすら聴くようなことも好きですね。
定期演奏会にコンサートマスターとして出演するのも今回(※)が初めてになりますが、お客様にも、オーケストラの仲間にも、何かワクワクしてもらえるような面白い素質を持った存在でありたいですね。私のホームページにも最近までのシェエラザードや英雄の生涯、ドン・ファン、チャイコフスキー協奏曲のソロ演奏など、一部だけですが載せておりますので、覗いてみていただければ嬉しいです。
(※ 2022年6月17日・18日 すみだクラシックへの扉第8回)