2歳10ヵ月の息子の育児奮闘中です。イヤイヤ期なのか、すべて「ぜんぶイヤ!」「ワカラナイ!」と拒絶される日々…。いかに自分を無にして我慢強くなれるか、修行中といったところです。

 子どもが生まれて、これまでにない気づきをたくさん感じています。特に産休・育休の1年半は、母と子だけの世界。愛おしさが募るほど、自分が守らなければならないという責任に押しつぶされそうになったり、ちょっとしたことに過剰反応して不安になったりする時期がありました。何かにつまずくたびに検索していたのですが、調べれば調べるほど不安があおられて精神的におかしくなる、というか…。そういうときに助けてくれたのは、母と4人の子育て経験のある姉です。旦那のサポートもありがたかったです。愛おしい存在ができて初めて、母も私をこうやって育ててくれていたんだなと、その気持ちに気づくことができました。

 NJPの現場に戻ることができたのも家族の協力があってこそで、復帰したときは本当に嬉しかった! やっぱりホルンを吹くのが好きで、オーケストラが楽しいと心から思いました。今ではNJPにいる間が、自分がひとりで音楽と向き合える貴重な時間です。子育ての悩みや愚痴を聞いてもらい、笑い合ったりできる仲間の存在もありがたいです。

 もともとNJPの仲間でバーベキューやフルーツ狩りに行ったりしていたのですが、これからは子連れであちこち行けたらいいねと計画しているところです。もともと人見知りで内弁慶だった私が、自分から声かけしてこういうことができているのも、NJPの雰囲気のおかげかな。復帰のときも優しく迎えてくれて、たくさん助けてもらいました。これからはもっとNJPに貢献して、恩返しできるようになりたいです。

 息子には、人の気持ちを思いやることができる人になってほしい。みんなが優しくなれば、人のつながりがより豊かになるのでは、と思うのです。今は何でもネットでできて便利な半面、生に触れる機会が減って、感じる力が乏しい人が増えてきているような気がするんですね。自然ともっと触れ合って、自然の移り変わりや動物の暖かさ、柔らかさを肌で感じ、その場にしか起こりえないことを実体験する機会を増やすことが感受性につながるのではないか。だからこそ生のコンサートも、人が豊かに生きるために必要なのだと思うのです。そういうことを大切にしながら、子どもを育てていきたいと思っています。

(2025年10・11月定期演奏会プログラム掲載)


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