2022年7月9日(土)・11日(月)の第642回定期演奏会には、2003~2013年に第3代音楽監督を務めた指揮者クリスティアン・アルミンクが登場します。2013年8月3日(土)の第513回定期演奏会以来、すみだトリフォニーホールで9年ぶりに迎える新日本フィルとのステージとなります。

アルミンク氏よりお客様へのメッセージとプログラムについての解説が届きました。

また、当時も今回もコンサートマスターとして出演する崔文洙(NJPソロ・コンサートマスター)には、音楽監督当時の思い出や、今回の演奏会に向けての意気込みを語ってもらいました。

「小澤征爾さんのアシスタントを務めた経験をもつクリスティアンが32歳の若さで新日本フィルの音楽監督に就任したのは、2003年のことでした。

クリスティアンは、少年時代に「ウィーンの森少年合唱団」に所属していたこともあって歌唱を伴う楽曲にこだわりがあり、2013年までの音楽監督時代には、オペラや合唱付きの作品をよく取り上げていました。

2021年9月に東海市芸術劇場で、約8年ぶりにクリスティアンの指揮で演奏しました。「貴公子」とよばれていた彼は、品格はそのままに、音楽がもつより深い内面的なものを、オーケストラから引き出してくれる指揮者になっていました。

2013年8月の音楽監督退任以降の約8年間、彼もまた充実した音楽人生を送ってきたのだと思いました。若いながらも光るものを持った、将来性を感じさせる指揮者だった頃から彼を知っている演奏家の一人として、嬉しかったです。

今回の演奏会では、そんなクリスティアンと新日本フィルらしい2曲をお届けします。音楽監督時代からヤナーチェク、スークなど、演奏機会の少ない東欧の音楽家の作品も取り上げていましたが、今回の前半にお届けするのは東欧ハンガリーの作曲家バルトークによる弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽です。変拍子がモザイクのように綿密に絡み合う難しい曲ですが、やりがいがあります。オルフの「カルミナ・ブラーナ」は混声合唱、児童合唱を伴う、これもまたクリスティアンらしいプログラミングです。

たくさんのお客様にお聴きいただけたら嬉しいです。」