昨年9月に正団員になりました。2019年9月に始まったプロベーションは、いよいよ終盤というタイミングでコンサート中止に見舞われ、それまで経験したことのない不安な日々を過ごすことに……。そのなかで声をかけていただいた“テレワーク・パプリカ”には本当に勇気づけられました。そして、定期演奏会が再開された2020年7月2日、ディスタンスをとった編成で演奏した下野竜也さん指揮の「田園」。涙をこらえている団員もいらして、この時の感動は一生忘れないと思います。コロナに影響されながらも、2019/2020シーズンに大好きなシューベルトのシンフォニー全曲演奏を完走できたのも、嬉しい体験です。きょうは、これまで私を支えてくださってきた方たちのお話をしたいと思います。

ヴァイオリンを始めたのは、6歳まで過ごしたカナダのモントリオールです。スズキ・メソードの創始者である鈴木鎮一さんと親交があったという、カナダ人のおじいちゃん先生が近所で教室を開いていらして、友達と一緒にそこに通うようになったのがきっかけでした。とても優しい先生で、湖や森林に遊びに連れて行ってくださったりして、音楽を楽しむ喜びとともに自然の豊かさも教えていただいた気がします。写真は、子供時代の思い出のスナップです。モントリオールの冬は雪が深く、子供の足ではとても歩けなくなるので、母が私をソリに乗せて、レッスンに通ったこともありました。当時の幼な友達とはずっとつながっていて、コロナ禍で一番連絡を取り合ったのは彼らかもしれません。ネット配信のおかげでNJPで弾く私の姿も見てもらうことができました。ヨーロッパにいる桐朋時代の仲間とも、SNSでお互いに状況報告をしながら励まし合い、元気をもらいました。

そしてもうひとつ、私の心の強い支えになったのが、NJPの先輩方の心遣いです。困難な状況でのプロベーションとなったことを心配して、親身に寄り添い、こまめに連絡をくださいました。先輩たちの気遣いが嬉しく、絶対にNJPに入りたい!入らなければ!と決意を新たにしたのを思い出します。セカンドのメンバーはエネルギッシュでかつ多趣味な方が多く、音楽以外の知識も得る日々で楽しいです。今後も、NJPの一員として、自分の音楽をもっと発信していきたいと思います。