「お酌ロボ」とうちでは呼んでいますが、正式名称を調べたところ、「デキャンタ・マシーン」というそうです。
ワインの澱や酒石がまじらないよう、ワインをつぐための道具です。蝋燭で照らして、澱の ある濁った部分をみつけ、それが入らないよう、少しずつこのハンドルをまわしてボトルを傾けながら、 そっと注いでいくんです。
名古屋のワインバーに行ったとき、お店にあったものに一目惚れ。お店の人に教えていただいて購入しました。ワインに詳しいわけではないのですが、そのとき、そうやって丁寧に入れていただいたワインが本当においしかったのと、なによりも、形の美しさに目が吸い寄せられてしまったんです。

 

数年前に、陶芸家、河井寛次郎さんの本を読んでから、物に対する考え方が変わりました。河井さんは、娘に「どういう基準で物を選べばよいか」と聞かれて、「自由であり、誠実であり、健全であり、簡素である」という言葉を残しているんですが、この4つを基準に考え、生きるようにしたら、捨てられ るものが多くなって、とてもすっきりしたんです。
本も、辞書や資料、薬になるもの以外、すべて図書館に寄付して、図書館から借りるようにしています。反面、醤油ひとつ買うにも、原材料をみるだけでなく、製造会社は創業何年なのか、どういうふうに作っているのか…まで調べるので、ものすごく時間がかかる。部屋の照明も、ピンとくるものがなくて、いまだに裸電球のまま。生きていくのがとても大変です(笑)。

そういうなかで、このロボは、生活必需品ではないんですが、夢とロマンがあるところが好きです。
河井さんの民芸の精神では、暮らしの中で愛される朗らかでおおらかな造形、生活の用途に耐えられるよう、無駄なものをそぎ落としていくことで美しい形を持つことを「用の美」という言葉で表しているのですが、このロボにはまさにその美しさがある。
半田付けの跡がみえて、まさに手で作りました、みたいなところにも、そそられます。銀なので磨かないとすぐ黒くなってしまうんですが、そういう手間がかかるところもいいじゃないですか。
普段は使うよりも飾っておいて、誰がどういうふうに作ったん だろうと、眺めるのが楽しいです。ホームパーティでは大ウケで、みんな、ぐるんぐるんまわして、ロボにお酌させています。

そういうなかで、このロボは、生活必需品ではないんですが、夢とロマンがあるところが好きです。
河井さんの民芸の精神では、暮らしの中で愛される朗らかでおおらかな造形、生活の用途に耐えられるよう、無駄なものをそぎ落としていくことで美しい形を持つことを「用の美」という言葉で表しているのですが、このロボにはまさにその美しさがある。
半田付けの跡がみえて、まさに手で作りました、みたいなところにも、そそられます。銀なので磨かないとすぐ黒くなってしまうんですが、そういう手間がかかるところもいいじゃないですか。
普段は使うよりも飾っておいて、誰がどういうふうに作ったん だろうと、眺めるのが楽しいです。ホームパーティでは大ウケで、みんな、ぐるんぐるんまわして、ロボにお酌させています。