昨年11月からのプロベーションを経て、今年8月に入団しました。NJPを目指したきっかけは、NJPの元バストロンボーン奏者、門脇賀智志さんの存在です。トロンボーン奏者にとって、「バストロ」といえば門脇さん、門脇さんといえばNJPという、憧れの存在でした。門脇さんがやめられてしまうのはとても寂しいニュースでしたが、それを知って、オーディションを受ける決意を固めました。門脇さんとはオーディションの後ゆっくりお話しすることができ、熱いエールをいただいて、とても嬉しかったです。

トロンボーンを始めたのは湯河原の中学の吹奏楽部です。テレビCMで見て、かっこいい楽器だなと憧れていたこともあり、自分から希望しました。最初はバルブのない細管のテナートロンボーンを吹いていましたが、3年生の時にバストロンボーンを担当するようになり、その魅力に夢中になっていきました。思い返してみると、子どもの頃、妹と一緒にピアノを習っていたときから、どんな音楽を聴いてもバスに耳を傾けてしまう感じでしたから、バスパートが好きだったのだと思います。

高校生の時、人生の恩人でもある部活のOBの方と出会い、たくさんオーケストラを聴くようになってから、オーケストラプレイヤーになりたい、という夢が定まりました。そして聴きに行った黒金寛行先生のリサイタルで、バストロンボーンのイメージが180度変わったのです。自分が思っていた楽器の不都合さを一切感じさせず、純粋に音楽に集中できた時間でした。僕もこういうトロンボーンを吹いてみたい! そこから本格的な勉強が始まりました。

オーケストラでのバストロンボーンで僕が特に好きなのは、テューバとユニゾンで吹く音。トロンボーン3本のコラールも最高です。NJPのトロンボーン&テューバセクションのすばらしい先輩たちと一緒にアンサンブルできる喜びを日々感じています。夢は ─ ちょっと大風呂敷を広げてしまいますが ─ 、「NJPの顔」となるようなプレイヤーになることです。そしてまた、管楽器の認知度、トロンボーン人気を高めるための活動がなにかできないか、模索中です。普段、演奏会にいらっしゃらない方々にも興味を持ってもらえるよう、自分からなにか発信していけたらいいな、と考えているところです。

(2019年11月)