オーケストラで弾く楽しさを知ったのは、学生時代、初めてエキストラで参加したNJPでした。2016年11月、「エニグマ変奏曲」の公演です。その時もセカンドで、こんなに楽しい世界があるなんて!とオーケストラが大好きになり、オーケストラプレイヤーをめざすようになりました。そのNJPセカンドの一員になることができて、本当に嬉しいです。

 ヴァイオリンを始めたきっかけは、幼稚園のクリスマス会で先生が弾いてくださったヴァイオリンの音が「素敵だな」と思ったことです。小さいときは音に惹かれて純粋に楽しんでいましたが、いろいろな曲を弾いてみたい、もっと上手になりたい……と自然に練習に励むようになった感じです。その後も先生方やたくさんのまわりの方にも恵まれて、音楽を続けられていることに感謝しています。

 大学ではオーケストラの授業を受けていましたが、オケの経験が少なかったためか、「難しそう、頑張って勉強しなければ」という意識がありました。それを吹き飛ばしてくれたのが、NJPでのエキストラ経験だったのです。その時も、そして今もそうですが、先輩たちの背中を見て学ぶことが多いのはもちろん、仲間の存在にとても助けられ、いつも音楽への向き合い方や仕事への姿勢など学ばせていただいています。

 そしてセカンドの魅力! ファーストと一緒にメロディを弾いたり、ヴィオラと一緒に内声を弾いたり、低音でアンサンブルを支えたり……といろいろなところに動けるのがとても面白いと感じます。セカンドがどのように弾くかによってまったく音楽が変わってくるのに気づき、自分なりに「和声のなかでこの音が大事だな」と意識しながら練習に臨んでいます。もっとオーケストラの魅力を引き出せるセカンド奏者になれるよう努力したいと思っています。

 楽天的な性格だとまわりから言われることもありますが、コロナの時はもちろんショックを受けました。けれども普段やらないことをやってみたいと、たまたまみつけた簿記3級の資格をとってみたりしました。いつになるか分りませんが、簿記2級にも挑戦してみたいと思っています。気分転換はおいしいものを食べること。公演であちこち行くたびに、近くのお店を調べて、仲間を誘って行ってみたりしています。

 これからも、オーケストラが楽しい! という気持ちをずっと忘れないようにしたいです。そして、私が幼稚園でヴァイオリンに出会うことができたように、アウトリーチなどで、普段ヴァイオリンを聴かない方々にも音楽の楽しさを届けていきたいと思います。

(2025年4・5月定期演奏会プログラム掲載)