スイス留学中のスナップ、演奏仲間やお世話になっている先生、先輩とのショット、学生時代からの友達との旅行中の一枚 ─ 私の大切な思い出を撮った写真たちです。ここ数年で演奏での出会いの輪が広がり、彼らとのスナップが増えてきました。

そのきっかけになったのが、2015年10月から約1年のスイス、バーゼルへの留学です。以前から関心があり独学で演奏していた古楽器をしっかり勉強したいと思っていたこと、フレンチホルンの奏法をあらためて見直したいと思っていたことから、両方を勉強できる機会を探していました。バーゼルにはフレンチホルンと古楽器両方に高いレヴェルのクラスがあり、非常にラッキーなことに、習いたいと思っていた先生のクラスに入ることができたのです。各国から集まる学生たちとともに刺激的な日々を過ごしました。それまで疑問だったことがクリアになり、楽譜をどのように読み取り、どのように表現するか、自分の判断に確信が持てるようになったように思います。忙しい日常を離れて、自分のための時間をとることができたことも貴重な体験でした。日本に戻ってからも、あの時につかんだイメージを忘れないようにしながら練習を重ねています。

そして最近の大切な思い出 ─ 今年4月のNJP室内楽シリーズでの金管五重奏のショットもこの中にあります。いつもの仲間たちとじっくり意見交換して充実したアンサンブルの時を持つことができました。あらためて勉強になりましたし、とても楽しかったです。

このように写真を並べてみると、自分がいかにまわりの人に支えられ、勇気づけてもらっているかに気づきます。性格的に「また今度ね」と社交辞令に終わらせるのが嫌で、縁をつないでいきたいと思うときは、自分から連絡をとって再会を実現させるように心がけています。そして、たとえ親しい相手であっても、私と過ごすために時間をとってくれていることへの感謝と礼儀を忘れないようにしたいなと思っています。

最近、以前に夢見ていたような演奏をさせていただく機会が増えてきて、いまとても充実しています。より一層精進して、NJPはもちろんのこと、どこで演奏しても、頼りになるなと思っていただけるような音楽家をめざしたいです。

(2019年5月)