新日本フィルでしか聴けない貴重な公演。ドイツ出身の天才リコーダー奏者で、近年は指揮者としても評価の高いドロシー・オーバーリンガーが、ドイツのバロックや古典の名曲を披露する。
まずはテレマンのリコーダー協奏曲で彼女の超絶技巧を体感できる。リコーダーの吹き振り自体がレアだし、存命時はバッハを凌ぐ大家だったテレマンの作品を、モダン・オーケストラの公演で耳にする機会も極めて稀だ。次のバッハの管弦楽組曲第3番はかの「G線上のアリア」を含む作品。この全曲演奏もまたモダン・オケの公演では珍しい。後半はベートーヴェンの交響曲第2番。楽聖らしい工夫が施された颯爽たる作品で、オーバーリンガーの指揮者としての手腕を知ることができる。
加えてバッハとベートーヴェンの作品は共に祝祭的で明るいニ長調。ここは、シーズンを華やかに締めくくると同時に、クラシック音楽の原点から次のシーズンへ向かう輝かしい一歩ともなる。