長くドイツに拠点を置く前音楽監督・上岡敏之が真骨頂を発揮する公演。ドイツ・オペラの巨匠ワーグナーの頂点『ニーベルングの指環』を大指揮者ロリン・マゼールが編曲した「言葉のない『指環』」をたっぷりと聴かせる。 コレペティトールやカペルマイスターとして本場歌劇場でのキャリアをスタートさせ、ザールランド州立歌劇場やヴッパータール市立歌劇場等の要職を歴任してきた上岡は、ドイツを代表するワーグナーの名作の演奏には、この上ない適任者。『ニーベルングの指環』は上演に4夜を要する長大な作品だが、当編曲はその美味しい部分だけを管弦楽で繋いだ巧みな構成がなされ、お馴染みの「ワルキューレの騎行」をはじめとする名曲ばかりを短時間で味わい尽くせるし、物語に沿って進行するので原曲の感動を手短に体験できる。

ここは、本場仕込みのアプローチによる壮大な音楽を、活気を増した今の新日本フィルの名技で満喫するビッグ・チャンスだ。