指揮、ピアノ、作曲と3役をこなすフィンランドの才人オリ・ムストネンの多彩ぶりを満喫するコンサート。この3役を兼ね備えた音楽家といえばラフマニノフやエネスクの名があがる。今回は彼ら同様の稀な才能に触れる貴重なチャンスだ。

まずは作曲。最初に自作の「トリプティーク」が披露されるので、いかなる音楽か?極めて興味深い。おつぎはピアノ&指揮。演目は何とベートーヴェンのピアノ協奏曲「皇帝」だ。広く知られた華麗な名作だが、スケールの大きさゆえに弾き振りが得意なピアニストも指揮者を伴うケースがほとんど。そうした至難な光景の目撃者となる喜びは大きい。最後は指揮。メンデルスゾーンの「スコットランド」交響曲が壮大に鳴り響く。曲は作曲者の中でも旋律美に溢れた雄大な名曲。ムストネン自身も「何度訪れても、聴き手はその独創的な細部に新たな驚きを発見する」と述べているので、新感触や発見に満ちた表現を堪能できるに違いない。


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