佐渡裕が音楽監督就任3年目のシーズンの集大成を示す公演。

 演目=マーラーの交響曲第6番「悲劇的」は、佐渡が掲げる「ウィーン・ライン」の究極ともいえる1曲。作曲者の内面を映した音楽で、マーラー作品の中では堅牢な交響曲としての完成度が最も高い。しかも種々の打楽器を用いた多彩な迫力、深い感情表現、強烈なインパクトを与えるハンマーの打撃など聴きどころが多い上に、ハンマーの回数や第2、3楽章の順番も興味をそそる。加えて佐渡は「私の新日本フィル定期へのデビュー曲(1990年9月)であり、恩師バーンスタインが振ったマーラーの交響曲の中で唯一アシスタントとして身近で接した曲。しかも唯一マーラーに関してバーンスタインと話した曲でもある」と語っているので、師譲りの快演の予感が濃く漂う。ましてマーラーの交響曲は、25年1月定期の第9番で稀にみる名演を聴かせているだけに、今回も渾身のパフォーマンスが期待される。