新日本フィルに再三客演して躍動感溢れる音楽を生み出しているフランスの名指揮者ジャン=クリストフ・スピノジが登場。前回23年11月の共演でもオペラ物等で鮮やかな音楽を聴かせているので期待は大きい。

今回はオール・イタリア・プログラム。欧州の著名歌劇場で数多の作品を手がけてきたスピノジのキャリアが存分に生きる内容だ。前半の「四季」では、NJPのソロ・コンサートマスター・崔文洙とスピノジが2曲ずつ独奏を受け持つのも大いに楽しみ。2人の名手の妙技をじっくり堪能する機会も、バロックの名作「四季」をフル・オーケストラの公演で聴く機会も稀なので、貴重な体験となる。後半はオペラの名曲集。ここではまず、可憐な舞台姿と表情豊かな歌唱で人気のソプラノ・砂川涼子が、一流歌手との共演も多いスピノジのリードで歌う有名アリアに酔いしれたい。また管弦楽曲では、ベルリン・フィル等でも成果をあげているスピノジのシンフォニックな手腕が強い味方となる。