日本屈指の俊才たちがメロディアスな超名 曲を披露するコンサート。1992年生まれの熊 倉優は、2016~19年にN響首席指揮者P. ヤ ルヴィのアシスタントを務めて、同楽団の公演 も指揮し、21年からはドイツに拠点を移した。 ハンブルク州立歌劇場での経験を経て、23年 8月にはハノーファー州立歌劇場の第2カペル マイスターに就任。数々の公演を受け持って いる。すなわち今回は、本場の歌劇場でキャリ アを築くという最近の日本人指揮者には稀な 経歴を持つ彼が今、いかなる演奏を聴かせて くれるか?が大きな注目点。演目がお馴染みの「 新 世 界 よ り 」だ け に 、 誰 し も そ の 音 楽 性 を 知 ることができる。
2021年ショパン・コンクール4位入賞以来、 目覚ましい活躍を続ける小林愛実が弾くショ パ ン の ピ アノ 協 奏 曲 第 1 番 も 聴 き 逃 せ な い 演 目。こちらもやはり、深みと味わいを大幅に増 している今の彼女がコンクールゆかりの名作 をどう弾くのか? 熊倉指揮のバックともども 極めて興味深い。