音楽監督・佐渡裕が新日本フィルで初めて披露する「イギリス」プログラム。王道の名曲に身を浸すだけで楽しめる快適な公演だ。

 ホルストのセントポール組曲は、古い形式を用いた明快な作品。最後の第4曲は吹奏楽のための第2組曲の第4曲と同じ音楽ゆえに、以下2作品と併せてブラス・ファンも満喫できる。エルガーの「威風堂々」第1番とホルストの「惑星」は、言わずと知れたポピュラー名曲。特に「惑星」のスペクタクルな音楽では、ダイナミックで躍動的な佐渡の持ち味が存分に発揮される。またこれは生々しいライヴでこそ体験したい作品だし、近年機能性を増した新日本フィルの妙技にも注目が集まる。

 佐渡は、イギリスのBBCフィルと親しい上にロンドン響やロンドン・フィルも指揮するなど、同国にも案外ゆかりが深い。まして「惑星」は彼がNHK交響楽団とCD録音も行っている十八番だけに、ノーブルかつハイテンションで華麗な名演が期待される。

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