第666回定期演奏会では、久石譲指揮のもとフィリップ・グラスのヴァイオリン協奏曲第2番「アメリカン・フォー・シーズンズ」が披露されます。出演するヴァイオリンのロバート・マクダフィーは、この作品の初演者の立場から、フィリップ・グラスとの作品作りの経緯やこの協奏曲への思いを次のように語ります。
私はもっとヴィヴァルディを演奏したいと思っていました。しかし、誰もがヴィヴァルディを演奏するので、どうすれば私の演奏にもっと注意を向けてくれるかを考えました。
そして、そのアイデアが私の中にすぐに浮かびました。それが”アメリカ”の「四季」(アメリカン・フォー・シーズンズ)です。
いつしか、敬愛するフィリップ・グラスはアメリカのヴィヴァルディだと思うようになりました。なぜなら、彼らは似たようなスタイルを持っており、鼓動するオスティナートや美しいメロディーなど、非常に催眠的で魅惑的な音楽だからです。
私は彼の家を訪ね『アメリカン・フォー・シーズンズ』を作曲していただけますか?とお願いしました。彼は言いました、もちろん書いてみたい、と。
彼はさらに、私に贈り物をしてくれました。『アメリカン・フォー・シーズンズ』のそれぞれの季節を紹介する序奏として、4つのソロヴァイオリンの曲を含めてくれたのです。それは彼がくれた美しい作品でした。
そして、共演する久石譲についてはこう語ります。
マエストロにお会いするのはとても楽しみです。フィリップ・グラスと彼のスタッフに話しましたが、彼らも私がパフォーマンスすることにとても興奮しています。それは、マエストロがフィリップの音楽の大ファンだからです。
マエストロと一緒に仕事ができるのは光栄だ、と言うのは控えめな表現です。
彼の魅力が世界中で知られていることは確かです。私は、彼の音楽を聴くのを楽しんできましたし、彼について読むのも楽しかったです。そして、『アメリカン・フォー・シーズンズ』のような曲を演奏できることにワクワクしています。マエストロと私の解釈を共有できることを楽しみにしています。
インタビュー全文は下記動画でご覧ください。
第666回定期演奏会 2025年10月11日(土)・13日(月・祝)
- フィリップ・グラス:ヴァイオリン協奏曲第2番 「アメリカン・フォー・シーズンズ」
- ストラヴィンスキー:バレエ音楽『火の鳥』組曲(1945年版)
指揮:久石 譲
ヴァイオリン:ロバート・マクダフィー