Music Partnerの久石譲がメシアンの超大作「トゥーランガリラ交響曲」を披露する。この20世紀中~後半のフランス最大の巨匠の代表作は、ピアノとオンド・マルトノの独奏を伴う、全10楽章・演奏時間約1時間25分の壮大な力作。1949年の初演作だが、先進的な響きやリズムと調性的な明快さ、東洋風の趣等々が同居した、多彩な内容を持っている。現代音楽の古典ともいえる本作を、作曲家・久石がいかに分析し、どう表現するか? そこがまずは注目点となる。
そして、Cateen かてぃん名義のYouTubeで大人気のピアニスト角野隼斗のソロ、及び久石との共演への期待は言わずもがな。再三演奏して曲を熟知した原田節がオンド・マルトノを受け持つのも心強い。さらには、複雑な曲だけに新日本フィルの名技も注目ポイント。何にせよ、この名作が、先入観に囚われない久石のタクトと頼もしい共演陣によって、フレッシュな姿で再生されるのは間違いない。