音楽監督・佐渡裕がおくるフランス音楽主体のプログラム。ここでは、以前パリのコンセール・ラムルー管のシェフを務めた彼のキャリアが存分に生かされる。最初のイベールの「室内管弦楽のためのディヴェルティスマン」は、メンデルスゾーンの「結婚行進曲」のパロディ等も愉しいおもちゃ箱のような佳品。ラムルー管と同曲を含むイベール作品集を録音している佐渡の軽妙なセンスが発揮される。後半のフォーレの「レクイエム」は、古今のレクイエムの中でもっともピュアな美しさを持った人気作。絶美というべき第4曲「ピエ・イエズ」をはじめとする清澄極まりない歌声も相まって、深い感動に浸れること間違いなしだ。
間を繋ぐアルチュニアンのトランペット協奏曲は、アルメニアの民族色や美しい旋律と難技巧を併せ持つ明快な音楽。同楽器の20世紀の代表格にして、新定番といえるほどの支持を集めており、当楽団の首席奏者・山川永太郎のソロへの期待も大きい。

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