音楽監督・佐渡裕が、就任時から柱に掲げる「ウィーン・ライン」そのものの演目を披露する。古典派の先駆者ハイドンと今年生誕200年を迎えたブルックナーは、昨年10月の定期と同じ組み合わせ。今回もオーストリアが生んだ交響曲の両大家の精髄を堪能するコンサートとなる。

ハイドンを「オーケストラとの信頼関係を作るための重要なレパートリー」と位置付ける佐渡が選んだのは、交響曲第6番「朝」。バロック風の様式による爽快な作品で、佐渡がシェフを務めるオーストリアのトーンキュンストラー管とCD録音も行っている得意の演目だ。ここは、レアな生演奏を体験できるだけでなく、様々なソロが登場するので、新日本フィルの各奏者の名技も満喫できる。ブルックナーの交響曲第7番は、壮大な後期作品の中では最もメロディアスで親しみやすい名曲。昨年の第4番「ロマンティック」に続く豊麗でダイナミックな名演と、コンビ2年目の深化が期待される。

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