躍進著しい指揮者ヤデル・ビニャミーニの新日本フィル初登場に注目が集まる。1976年イタリア生まれの彼は、世界の著名楽団や歌劇場で実績を重ね、日本でもびわ湖ホールのコンサートや2018年ローマ歌劇場来日公演の『椿姫』を指揮している。今回は、現在務めるデトロイト響音楽監督の肩書きに相応しいアメリカ音楽を披露。まずは、ガーシュウィンの人気上位3曲をすべて味わえるのが、意外に貴重なチャーム・ポイントだ。これらにメキシコの作曲家マルケスの代表作「ダンソン・ヌメロ・ドス(第2番)」を加えたノリの良い音楽に身を任せれば、自然と心が踊ること間違いなし。さらにこうした作品が持つ独特の哀感も潤いを与えてくれる。そして、大人気の二刀流ピアニスト小曽根真が弾く「ラプソディ・イン・ブルー」のソロが聴きものとなるのは言わずもがな。これはもちろんジャズとクラシック双方の手腕が存分に発揮される極め付きのステージとなる。

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