Music Partner 久石譲が、自作、モーツァルト、ストラヴィンスキーと3種の音楽世界を創造する。自作は弦楽四重奏+弦楽合奏+打楽器が織りなす蠱惑的な音楽、モーツァルトは明朗で堂々たる最後の交響曲「ジュピター」、ストラヴィンスキーはロック等にも影響を与えた「春の祭典」だけに、作曲家の視点による清新な表現への興味は尽きない。

独特の音の綾が楽しみな自作に続く「ジュピター」は、ベートーヴェンの交響曲が高く評価された久石の古典への鮮烈なアプローチが要注目。複数の動きが絡み合う終楽章の表現には特に期待がかかる。「春の祭典」はリズムやビートを重視してきた久石の本領発揮に相応しい作品。変幻するリズムと激烈な響きに新たな生命が宿る瞬間を体験したい。

この3曲は久石が既に他の楽団で快演を展開している作品だが、付き合いが最も長い新日本フィルを指揮する今回は、さらに斬り込んだ音楽を聴かせてくれるに違いない。

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