カナダ生まれの指揮者デリック・イノウエが、バロック~古典派を中心としたプログラムを聴かせる。イノウエは、桐朋学園大学で学び、小澤征爾等の薫陶を受けた所縁の持ち主。日本の多くの楽団やセイジ・オザワ 松本フェスティバルに招かれており、新日本フィルとも再三共演して抜群の相性を示している。むろん国際的にも活躍し、中でもメトロポリタン・オペラをはじめとする欧米歌劇場でのキャリアが光っている。

今回は、ヘンデルやモーツァルト等のオペラの名曲の数々でその強みを発揮。「オンブラ・マイ・フ」「恋とはどんなものかしら」等の有名アリアを、人気・実力ともに日本屈指のカウンターテナー・藤木大地が歌う点も興趣を盛り上げる。さらに管弦楽作品もモーツァルトやパッヘルベル等によるクラシカルな名品ばかり。美旋律を存分に満喫できる上に、近年フル・オーケストラの公演では耳にする機会の少ないレパートリーを堪能できる貴重なコンサートだ。

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