僕の故郷、カナリア島テネリフェ出身の画家セマ・カストロが描いた絵です。
子供の時からの親友が経営するギャラリーで、この画家の個展が開かれた時、一目で気に入って購入しました。友人がオーナーになったお祝いに、一度作品を買いたいと思っていたので、いい機会になりました。
この絵は、彼を含めた僕のhomeを思い出させてくれます。
Artは僕の「もうひとつの道」でもありました。
芸術高校に通って音楽、美術両方を勉強していたので、どちらに進むか迷った時期があったのです。
最終的に、ロンドンで音楽を勉強するための奨学金をとることができ、音楽の道に進むことを決めました。
クラリネットを始めたのは8歳の時、両親から突然クリスマスプレゼントにクラリネットが贈られてきたことがきっかけです。
なぜかというと父方の曾祖父がクラリネットを吹いていたから。
また祖父はカナリア諸島で最も歴史のある本屋を経営していて、町の文化イヴェントに関わり、音楽家の知り合いも多くいました。
音楽家になって良かったと思うのは、鳥肌の立つような瞬間を経験できること。
聴き手としても体験しましたが、それ以上に多くプレイヤーとして体験しています。
自分のjobを通して感動できるのはラッキーだし、すばらしい仕事だなと思います。
スイスで日本人のフィアンセと出会い、NJPに入るために2013年に日本に来ました。
初来日は、その10年ほど前、マーラー・ユーゲント・オーケストラのメンバーとしてです。
でももっと前から日本には縁を感じていたんですよ。
「SAINTSEIYA」「CaptainTSUBASA」、ジブリなど日本のアニメが大好きだったんです!いま日本に暮らして、NJPで演奏できることを嬉しく思います。
NJPではたくさんの新しいレパートリーに出会いました。
その前にいたスウェーデンのオーケストラはオペラ管弦楽団だったので、ブラームスやマーラーのシンフォニーなど大オーケストラの基本的なレパートリーをNJPで初めて演奏しています。
日本語ももっと上手になって、仲間と会話を楽しめるといいなと思っています。
My treasure ≪楽団員の宝物≫ 2015年 1月号
Vol.64 親友のギャラリーで出会った絵 ― マルコス・ペレス・ミランダ (クラリネット & バスクラリネット)
メンバーが大切にしている秘蔵の品、それにまつわる思い出を紹介するコーナーです。