私が5歳のとき、父がヨーロッパをめぐる旅に出ました。
フランス、スペイン、オランダ、ドイツ、ポルトガル、スイス……など色々な国をまわり、それぞれの国で民族衣装をつけたお人形をお土産に買ってきてくれたのです。
トランクいっぱい、鮮やかな衣装の可愛いお人形を見たときの嬉しかったこと!当時はインターネットもなく、ヨーロッパの国についての情報もそれほどありませんでしたから、私が出会った「初めての外国」がこの西洋人形です。

 

出発する前、父は地球儀を買ってきて、これから出かけていく国がどこにあるのか説明してくれました。
そして旅先から、それぞれの国の絵葉書を送ってきてくれたのです。
私は郵便受けに届く絵葉書を心待ちにして、地球儀で父がどこにいるのか、たどるのが楽しみでした。私でも読めるように、平仮名で「きょうはここにいきました。げんきです」くらいの文面でしたが、父のぬくもりが感じられたのを覚えています。
いま私が、旅に出ると手紙を書きたい気持ちになるのは、このときの思い出があるからではないかと思います。

当時私はピアノを習い始めたばかりで、その後7歳からフルートのレッスンも始めました。
フルートの音色が気に入り、また息を使って音楽を奏でることに魅力を感じて、小学校高学年の頃には、フルート奏者になってオーケストラに入りたい、と思うようになりました。
新日本フィルに入ってずいぶん経ちますが、変わらないのが仲間の音楽に対する真摯な姿勢です。決して妥協することなく、いつも誠実に音楽と向き合う仲間のいる新日本フィルは、本当に幸せな職場です。

 

この人形たちの国々でも、日本でもいろいろな問題が起き、刻々と変化していますが、いつの時代も変わらず、人々に夢や希望を与え、心を豊かにしてくれるのが音楽の力ではないかと思います。
このような時代だからこそ、音楽家であることに心から幸せを感じます。そして多くの方々とその喜びを分かち合うことができればと願っています。

当時私はピアノを習い始めたばかりで、その後7歳からフルートのレッスンも始めました。
フルートの音色が気に入り、また息を使って音楽を奏でることに魅力を感じて、小学校高学年の頃には、フルート奏者になってオーケストラに入りたい、と思うようになりました。
新日本フィルに入ってずいぶん経ちますが、変わらないのが仲間の音楽に対する真摯な姿勢です。決して妥協することなく、いつも誠実に音楽と向き合う仲間のいる新日本フィルは、本当に幸せな職場です。

 

この人形たちの国々でも、日本でもいろいろな問題が起き、刻々と変化していますが、いつの時代も変わらず、人々に夢や希望を与え、心を豊かにしてくれるのが音楽の力ではないかと思います。
このような時代だからこそ、音楽家であることに心から幸せを感じます。そして多くの方々とその喜びを分かち合うことができればと願っています。