8年前、私がずっと一緒に暮らしてきた祖母が、95歳で他界しました。
亡くなる間際まで編んでいたのがこの「魔法のたわし」です。
アクリル毛糸でしっかり編み込まれていて、食器も家具も床も、これを使うと洗剤なしでもきれいになります。
私の孫まで使い続けられるようにと頼んだので、たくさん作り残してくれました。この「たわし」を海外へのお土産にしたいという方もいらして、祖母自身は一度も海外へ行ったことがありませんでしたが、祖母の「たわし」は、世界のあちこちで使われていると思います。

 

もともと編み物は好きだった祖母ですが、あるとき母に勧められて始めたのが、この「たわし」作りです。
毎日一生懸命に編んで、みなさんに喜んでいただくのが生き甲斐になっていました。
季節ごとにきれいな色の毛糸を選んで組み合わせることも楽しんでいました。8月で2歳になる私の娘は、鮮やかな色の取り合わせが好きなようで、洗濯物の中から真っ先にこれを取り出します。

 

祖母は、戦中戦後の混乱期を生き抜いてきただけあって、もの静かですがとても芯の強い人でした。晩年、よく言っていた「今が一番幸せ」という言葉の重みをしみじみと感じます。

今、震災や原発事故など不安がいっぱいですが、そうしたとき、この「たわし」を見て祖母のように強く生きなければと心の支えにしています。
強く生きるには元気でいることが大切だと思いますし、音楽がそのための力を与えてくれると信じています。
震災後、久しぶりに演奏の場に出て、オーケストラの音に包まれたとき、生きていることの幸せを感じ、力が湧いてきました。心を込めて演奏することでお客様も一緒に元気になれたらいいなと思います。

 

私の娘がこどもにこの「たわし」を渡す頃、「今が一番幸せ」と思えるようなよい世の中になってほしいと切に願います。

今、震災や原発事故など不安がいっぱいですが、そうしたとき、この「たわし」を見て祖母のように強く生きなければと心の支えにしています。
強く生きるには元気でいることが大切だと思いますし、音楽がそのための力を与えてくれると信じています。
震災後、久しぶりに演奏の場に出て、オーケストラの音に包まれたとき、生きていることの幸せを感じ、力が湧いてきました。心を込めて演奏することでお客様も一緒に元気になれたらいいなと思います。

 

私の娘がこどもにこの「たわし」を渡す頃、「今が一番幸せ」と思えるようなよい世の中になってほしいと切に願います。