新日本フィルと共演する今回のプログラムは、音楽家としての私の人生に大きな影響を与えてくれた作曲家、作品を取り上げるプログラムです。
ルトスワフスキは20世紀の偉大な作曲家のひとりであり、この二重協奏曲は私と妻のために作曲された曲です。吉野さんと共演出来ることはとても楽しみです。
シャンドル・ヴェレシュは私の作曲の師匠。ヴェレシュは私に作曲家としてのイロハのすべて授けてくれた大切な恩師であり、彼との出会い無くして、作曲家としての今の私はいません。そんなヴェレシュが作曲した「トレノス」はヴェレシュの師匠バルトークに捧げた曲。ルトスワフスキもまた、10年後にバルトークを偲んで葬送音楽を作曲しています。この素晴らしい2曲を同じプログラムで演奏が出来ることは、音楽家としてとても意義を感じ、また感慨深い瞬間となることと確信しております。
2つのメンデルスゾーンの作品は、ロマン派の音楽の中でも最も印象的で奇跡のような音が散りばめられた作品。この2曲は、お互いに非常に密接に関連をしており、まるでお互いが語らい合い、意志疎通を図っているように感じられます。
新日本フィルと取り上げるこの多彩なプログラムを、ぜひ、お楽しみください。