NJP楽員ストーリーズ

楽員ストーリー「情熱」by 白尾彰(NJP首席フルート奏者)

情熱

白尾彰(NJP首席フルート奏者)

大学を2年で中退して旧日本フィルに参加してからもうすぐ50年。
オーケストラでは毎回偉大な作曲家達の作品に触れ、また、素晴らしい指揮者、ソリストと共演することができました。また、オーケストラを基盤として協奏曲や室内楽を含めたフルートのさまざまなレパートリーに接することもできました。
フルート奏者として最も理想的で幸せな仕事を、こんなにも長く続けさせてくれたNJPに感謝しています。
それを支えてきたのは情熱です。……というと格好いいですが、フルートを吹くのがとにかく好きなんですね。やればやるほど面白い、やってもやってもマスターできない素晴らしい世界。 いつも、もっとうまくなりたい、いい音楽をしたい、という気持ちでやってきました。
何年続けても、 どんなにきつい時も、ふつふつと湧いてくるのが情熱です。テクニックや才能以上に、情熱を 保ち続けることが音楽家には大事だと思います。
思い返すと、そう思えるようになったのは、スイスへの留学がきっかけです。NJPに参加して2年経った頃に、当初1年の予定でチューリヒに渡り、アンドレ・ジョネ先生のレッスンを受けた時のことです。先生の音楽に対する真摯な生き方に接して、音楽家であるとはどういうことか、目を開かされる思いがしました。それ以来、音楽に対する情熱は薄れたことがありません。
NJPは、旧日本フィルの解散に伴い、「一緒に音楽をやろう!」という小澤さんの呼び声のもとに集まって始まったオーケストラです。一度壊れたからこそ、「音楽をやりたい」という皆の情熱とエネルギーはすごいものがありました。当初は1カ月に 1、2 回しか本番がなく、練習会場も転々とするような日々。もちろん今は状況が違いますが、情熱は強く持ち続けてほしいと願っています。
オーケストラ・プレイヤーは私の「天職」です。これまで充分楽しませていただきました。これからは、リサイタルや室内楽で、これまでやってこなかったレパートリーにじっくり取り組み、もっともっといい音楽がしたいと思っています。
どうもありがとうございました。
(定期演奏会プログラム2018年3月号掲載)

新日本フィルハーモニー交響楽団 定期演奏会ルビー<アフタヌーン コンサート・シリーズ>第14回

2018年4月13日(金)14時開演
2018年4月14日(土)14時開演
すみだトリフォニーホール

指揮:オッコ・カム
フルート:白尾彰(NJP首席フルート奏者)*

プログラム
サッリネン:歌劇「宮殿」序曲
ニールセン:フルート協奏曲 FS119*
シベリウス:交響曲第2番 ニ長調 op.43