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特別インタビュー

第642回定期演奏会に向けて(指揮者クリスティアン・アルミンク、NJPソロ・コンサートマスター崔文洙)

第642回定期演奏会に向けて(指揮者クリスティアン・アルミンク、NJPソロ・コンサートマスター崔文洙)

2013年8月3日 第513回定期演奏会 ©大窪道治

2022年7月9日(土)・11日(月)の第642回定期演奏会には、2023~2013年に第3代音楽監督を務めた指揮者クリスティアン・アルミンクが登場します。

2013年8月3日(土)の第513回定期演奏会以来、すみだトリフォニーホールで9年ぶりに迎える新日本フィルとのステージとなります。

アルミンク氏よりお客様へのメッセージとプログラムについての解説が届きました。

また、当時も今回もコンサートマスターとして出演する崔文洙(NJPソロ・コンサートマスター)には、音楽監督当時の思い出や、今回の演奏会に向けての意気込みを語ってもらいました。

クリスティアン・アルミンク氏よりメッセージ

©Shumpei Ohsugi

Similarities versus Differences, Bartok – Orff

 

I have always been fascinated by the music of Bela Bartok and Carl Orff. Particularly the compositions of Orff’s Carmina Burana and Bartok’s Music for Strings, Percussion and Celesta took my attention as many other pieces by these two composers.
Both compositions were written at the same time in 1936, 3 years before WW II started by the invasion of Hitler in Poland. Both works are based on folk tunes or ancient texts, Bartok referred on Romanian and Bulgarian melodies and Orff on medieval Latin poems as well as old French and German texts.
Bartok’s Music for Strings, Percussion and Celesta was written for the celebration of the 10th anniversary of the chamber orchestra of Basel.
The strings are divided in two groups (right and left side) which gives the opportunity to create antiphonal effects which the audience can hear like a stereophonic sound, similar to some concerti grossi of the 18th century.
The sophisticated structure of formal aspects is breathtaking. Not just is the first movement a very complex fugue, but also the elaboration of counterpoint, chromaticism and antiphonary of the other 3 movements is multiplex.
The 3rd movement, sometimes referred as „night music“ belongs to my absolute favorites as it carries me away to another world and atmosphere.
Orff’s „Carmina Burana“ (Songs of Beuern) is basically a cantata based on a collection of medieval poems featuring fortune, wealth, life and the pleasure of lust ending with an invocation of Fortuna.
This composition of mostly Latin poems from the 11-13th century is the most frequently performed choral work of the 21st century.
Polyphonic structures and counterpoint are mostly absent but rhythm and metrical complexity is a primary element.
Carl Orff writs about his Carmina Burana: „The music is a static construction. In its strophic structure there is no development. … It’s repeatability and effect depend on the terseness of the statement”, which is a strong contrast to Bartok’s music.
I do wish you all a wonderful concert and hope you will enjoy these two masterworks, composed 86 years ago.

 

Cordially yours,
Christian Arming

バルトークとオルフの類似点と相違点

 

私はいつもベラ・バルトークとカール・オルフの音楽に魅了されてきました。特に、オルフの「カルミナ・ブラーナ」とバルトークの弦楽器、打楽器、チェレスタのための音楽は、これら2人の作曲家による他の多くの曲と同じように私の注目を集めました。

 

これら2曲は、第二次世界大戦がヒトラーによるポーランド侵略が始まる3年前の1936年に書かれました。どちらの作品も民謡や古代のテキストに基づいており、バルトークはルーマニアとブルガリアのメロディーを、オルフは中世ラテン語の詩と古フランス語とドイツ語のテキストを参照しています。

 

バルトークの弦楽器、打楽器、チェレスタのための音楽は、バーゼルの室内オーケストラの10周年を祝うために書かれました。

弦は2つのグループ(右側と左側)に分かれており、18世紀の合奏協奏曲のように、聴衆がステレオの音のように聞こえる反響効果を与えます。

洗練された構造は息をのむようです。第1楽章は非常に複雑なフーガであるだけでなく、他の3つの楽章で使われている対位法、半音階主義、交唱がそれぞれ複雑に関連付けられています。

「夜の歌」と呼ばれることもある第3楽章は、私を別の世界や雰囲気に連れて行ってくれるので、私の絶対的なお気に入りの1つです。

オルフの「カルミナ・ブラーナ」(ベルンの歌)は、基本的には、幸運、富、人生、欲望、を特徴とした中世の詩のコレクションに基づくカンタータで、最後はフォルトゥーナを呼び寄せる呪文で終わります。

11〜13世紀の主にラテン語の詩のこの作品は、21世紀の合唱作品の中で最も頻繁に演奏される作品です。

ポリフォニック構造と対位法はほとんどありませんが、リズムとメトリックの複雑さが主な要素となっています。

カール・オルフ自身は「カルミナ・ブラーナ」について次のように書いています。「この曲は動きのない構造をしています。その有節歌曲の構造には発展はありません。 …この曲の再現性と効果は、ステートメントの簡潔さに依存します」。

バルトークの音楽とは非常に対照的です。

皆様にとって素晴らしいコンサートでありますように。86年前に作曲されたこの2つの傑作をお楽しみください。

 

クリスティアン・アルミンク

NJPソロ・コンサートマスター 崔文洙より

小澤征爾さんのアシスタントを務めた経験をもつクリスティアンが32歳の若さで新日本フィルの音楽監督に就任したのは、2003年のことでした。

クリスティアンは、少年時代に「ウィーンの森少年合唱団」に所属していたこともあって歌唱を伴う楽曲にこだわりがあり、2013年までの音楽監督時代には、オペラや合唱付きの作品をよく取り上げていました。

2021年9月に東海市芸術劇場で、約8年ぶりにクリスティアンの指揮で演奏しました。「貴公子」とよばれていた彼は、品格はそのままに、音楽がもつより深い内面的なものを、オーケストラから引き出してくれる指揮者になっていました。

2013年8月の音楽監督退任以降の約8年間、彼もまた充実した音楽人生を送ってきたのだと思いました。若いながらも光るものを持った、将来性を感じさせる指揮者だった頃から彼を知っている演奏家の一人として、嬉しかったです。

今回の演奏会では、そんなクリスティアンと新日本フィルらしい2曲をお届けします。音楽監督時代からヤナーチェク、スークなど、演奏機会の少ない東欧の音楽家の作品も取り上げていましたが、今回の前半にお届けするのは東欧ハンガリーの作曲家バルトークによる弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽です。変拍子がモザイクのように綿密に絡み合う難しい曲ですが、やりがいがあります。オルフの「カルミナ・ブラーナ」は混声合唱、児童合唱を伴う、これもまたクリスティアンらしいプログラミングです。

たくさんのお客様にお聴きいただけたら嬉しいです。