特別インタビュー
©Naoya Yamaguchi (Studio Diva)
昨年、7月にイギリス人指揮者(※)の代役の依頼を受けました。その時は、どの様な形で演奏が出来るのが良いか日本中の演奏家達が模索している段階でした。そこで小編成の作品を提案しました。
その中で、今回のメタモルフォーゼンを提案しましたが、その時には「別の機会の折に」ということでしたので今回、お話を頂いた際に提案しました。
そして、今回は、ちょっと捻ったドイツ音楽特集として、メタモルフォーゼンを軸にリヒャルト・シュトラウスが初演をした『ヘンゼルとグレーテル』を前後に配置するという、他のオーケストラでも実施した形でプログラムを組みました。
(※ダンカン・ワード氏)
新日本フィルを初めて指揮したのは2005年でした。もの凄い反応の良いスポーツカーを運転する様な感覚で驚きと同時に怖くなりました。とても緻密なアンサンブルをするオーケストラという印象が強いのですが、とても暖かみのあるオーケストラの空気感も大好きです。茶目っ気もあるのも魅力です。全てのパートがそれぞれに素晴らしいですが、弦楽器がとても輝かしいサウンドだと思います。学生の頃良く聴いていた朝比奈先生と新日本フィルのカップリングも好きでしたが、その時の深みのあるサウンドは、今でも自分の規範ともなっています。
今回のシュトラウスはその両方を兼ねたものをお届け出来ればと思います。
友美さんは、とても素晴らしい音楽家です。色々なものをご自身の引き出しから出して下さいます。指揮者としてデビューして以来、プライベートでもとても仲の良い友人の一人です。ステージの上では、とても颯爽としてかっこいいですが、結構、イタズラッ子な面もあって可愛い人です。どういう悪戯をしたかは内緒にしておきましょう。
指揮:下野竜也、ヴィオラ:篠﨑友美