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片桐卓也 の ≪鑑賞のツボ≫

片桐卓也 の ≪鑑賞のツボ≫意外な接点のあったふたりの作曲家 その温かな交流を感じながら聴きたい #625 ジェイド

意外な接点のあったふたりの作曲家
その温かな交流を感じながら聴きたい

 

ドイツ・ロマン派の雄ブラームスと19世 紀末ロシアを代表するチャイコフスキー。 ふたりに接点は無さそうな気がするが、 実は意外な接点がある。まずイタリア好 きであるという点。ブラームスは北ドイツのハンブルク生まれで、ウィーンで暮らし ていたが、9回もイタリアを訪問している。チャイコフスキーはメック夫人から年金を 受け取り、自由に作曲生活が出来るようになってからイタリアに出かけ、交響曲第4 番を書き上げた。また、ブラームスが自作 の交響曲第4番をハンブルクで指揮した時、わざわざ滞在を延ばしてチャイコフス キーが自作の交響曲第5番を指揮するリハーサルを聴き、その後、ふたりは親しく 語り合ったと言われる。そんな意外な関係性を知ると、この演奏会も実に興味深くなる。日本を代表するヴァイオリニスト・ 竹澤恭子の美しい音、深い音楽性も楽しみだし、1992年生まれの新鋭・熊倉優がどんな指揮ぶりを見せてくれるかという点 も注目したい。