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片桐卓也 の ≪鑑賞のツボ≫

片桐卓也 の ≪鑑賞のツボ≫ほぼ同じ時期に作曲された交響曲 作曲家同士の交流を知るプログラム #618トパーズ

ほぼ同じ時期に作曲された交響曲 作曲家同士の交流を知るプログラム

 

2019/20シーズンの定期演奏会の中でも最も興味深い作品がレオポルド・ヴァン・デア・パルス(1884~1966)の「交響曲第1番」ではないだろうか。1909年にベルリン・フィルハーモニー管弦楽団によってベルリンで初演されたこの4楽章の交響曲は、後期ロマン派の豊かな音色のパレットを使いながら、透明な叙情性を秘めた隠れた傑作だ。ヴァン・デア・パルスはロシア、サンクトペテルブルク生まれだが、出自はデンマークとオランダのハーフであり、スイスとドイツで学んだ。ラフマニノフとも親交があり、その助言によりベルリンでグリエールに師事することになり、大きなチャンスをつかんだ。滅多に実演で聴くことの出来ないこの曲をしっかりと記憶に残したい。

1908年初演のラフマニノフ「交響曲第2番」(当初発表のピアノ協奏曲から変更)は彼の代表作で、特に第3楽章のアダージョの流麗なメロディはまさにラフマニノフにしか書けないロマンティックなもの。上岡の歌心が作品の核心を描く。