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片桐卓也 の ≪鑑賞のツボ≫

片桐卓也 の ≪鑑賞のツボ≫ヨーロッパ・アルプスの北から見た 憧れのイタリア。その情感が溢れる #615トパーズ

ヨーロッパ・アルプスの北から見た 憧れのイタリア。その情感が溢れる

ドイツの文学者ゲーテの作品は、同時代の作曲家たちに大きな霊感を与えた。18歳のシューベルトが読んで、興奮のうちに作曲したと言われる歌曲「魔王」もゲーテの詩による作品だ。若きシューベルトは歌曲のジャンルと同時並行して交響曲の作曲も行っていたが、21歳の頃に書いた交響曲第6番には当時ウィーンで流行していたロッシーニの音楽、そしてベートーヴェンの影響が強く感じられる。特に第3楽章のスケルツォに注目したい。

イタリアの作曲家ヴェルディの大作オペラ『ドン・カルロ』の中でも印象に残るメロディである「王妃の舞踏会」をはさんで、メインはメンデルスゾーンの傑作交響曲「イタリア」。ゲーテもイタリアに憧れ「イタリア紀行」を残しているが、メンデルスゾーンも1830〜31年にイタリアを訪れた。その鮮やかな印象が刻印された交響曲だ。ドイツに長く住む上岡だからこそ、アルプスの北側の人の “南への憧れ” がよく分かるはずだ。