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片桐卓也 の ≪鑑賞のツボ≫

片桐卓也 の ≪鑑賞のツボ≫1994年生まれの若手指揮者が登場 「運命」に果敢に挑戦する姿に注目 ルビー#26

1994年生まれの若手指揮者が登場 「運命」に果敢に挑戦する姿に注目

 

注目の若手指揮者である太田弦が定期演奏会に初登場する。彼は1994年札幌市生まれ。東京藝術大学指揮科を首席で卒業し、2015年には第17回東京国際音楽コンクール〈指揮〉で第2位、ならびに聴衆賞を受賞した。尾高忠明、高関健の両氏に指揮を、二橋潤一氏に作曲を師事した。その太田が指揮するのは、若きシューベルトの書いた「交響曲第1番」、山崎伸子(チェロ)をソリストに招いたチャイコフスキーの「ロココ風の主題による変奏曲」、そしてベートーヴェンの交響曲第5番「運命」の3曲である。

シューベルトの交響曲第1番は作曲家が16歳の時の作品。まだコンヴィクトという全寮制の学校で学んでいた時代で、全4楽章の堂々とした作品である。チャイコフスキーの「ロココ風」はロマン派時代の貴重な協奏曲のひとつ。ベテランの山崎と新鋭の太田のコンビネーションが楽しみだ。そして「運命」。この傑作からどんな響きを太田が作り出すか、期待したい。