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片桐卓也 の ≪鑑賞のツボ≫

片桐卓也 の ≪鑑賞のツボ≫スペインの巨匠が描く「カルメン」 その意外性満点の世界に浸ってみよう #613 ジェイド

スペインの巨匠が描く「カルメン」 その意外性満点の世界に浸ってみよう

 

9年間にわたり芸術監督をつとめたスペイン国立管弦楽団の名誉指揮者であり、現在はバルセロナのリセウ大劇場(オペラハウス)の音楽監督として活躍するスペインの指揮者ジョゼップ・ポンスが登場する。彼はスペイン以外のオーケストラとも深い関係を持っており、その実力がヨーロッパで注目されている。録音も数多い。今回のプログラミングも興味深いものだ。あのヴァイオリンの鬼才パガニーニが、自分がヴィオラを弾くためにベルリオーズに作曲を依頼した「イタリアのハロルド」。この曲では新日本フィルの首席奏者として活躍し、この秋からフランスに拠点を移した井上典子が共演する。そして、フランスの作曲家ビゼーがスペインを舞台に描いた歌劇『カルメン』の音楽をもとに、ロシアの作曲家シチェドリンが編曲を施した「カルメン組曲」。シチェドリンの妻マイヤ・プリセツカヤが踊るために編曲された作品だが、原曲の『カルメン』を知っていればいるほど、編曲の妙が分かる。ちょっと予習をすれば、さらに楽しみが増すかもしれない。