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片桐卓也 の ≪鑑賞のツボ≫

片桐卓也 の ≪鑑賞のツボ≫若きシューベルトの意欲的作品と 晩年のバルトークの傑作を並べて ルビー#26

若きシューベルトの意欲的作品と晩年のバルトークの傑作を並べて

 

この演奏会ではシューベルトの交響曲が2曲取り上げられる。第2番と第3番だが、いずれもシューベルトが10代終わりの作品で、その若々しい感覚で交響曲というスケールの大きな世界へ挑んでいたことが明らかだ。同時に、この時期には歌曲の名作(例えば「魔王」など)が書かれており、ドイツ・リートの開拓者としてのシューベルトの才能が開花したとも言える時期だった。交響曲のなかにもその歌心の魅力がたくさん詰まっていると思うので、それを演奏の中から発見してほしい。

バルトークの「管弦楽のための協奏曲」は、作曲家がアメリカに亡命した晩年の作品。病気を患い、作曲の意欲を失っていた時に、友人たちがあえて作品を委嘱した。そこから生まれたこの作品にはバルトークの作曲技法が集大成されており、オーケストラにとっても演奏しがいのある難曲である。上岡シェフと培ってきた音楽的な経験を反映させた色彩豊かな演奏に期待したい。