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片桐卓也 の ≪鑑賞のツボ≫

片桐卓也の≪鑑賞のツボ≫声楽付きの作品で巡るウィーン 音楽の形が変わった時期を体験

声楽付きの作品で巡るウィーン

音楽の形が変わった時期を体験

 

このプログラムがとても珍しいのは「声楽」付きの作品ばかりを集めていることだ ろう。しかも19世紀末から20世紀初頭 のウィーンで活躍した作曲家の作品に集 中している。それは新しい時代を告げる 音楽でもあり、この時期に音楽の形は大きく変わったと言って良い 。

その先導役が交響曲作家として知られるマーラー。彼は第2、第3番の交響曲でも声楽を交響曲の中に導入していたが、この交響曲第4番の最終楽章にも声楽を入れている。

マーラーの後輩とも言えるベルクは、短 い人生の中で実り多い作品を残したが、 未完に終わった歌劇『ルル』、そして「アル テンベルク歌曲集」は彼の個性がよく発揮 されたものだ。 指揮をするのはアメリカのベテラン、 アンドリュー・リットン。そしてオペラから 現代曲まで幅広く活躍するソプラノの林 正子が共演する。

世紀末の多様な文化の 開花の中で、新しい魅力を発揮する音楽 の姿を振り返ろう。